認知症を患っている99歳の母と72歳の息子の日常生活を描いたセルフドキュメンタリー映画『99歳 母と暮らせば』が、2019年6月8日(土)より新宿K’s cinema 他、全国で順次公開されます。
先日、編集部有志で先行試写映像を鑑賞する機会がありましたので、その感想も入れつつ、本作品について紹介します。
認知症がある99歳の母、千恵子。その母が住む戦前に建てられた実家に移住して「介護」を始めた71歳の息子、章。仕事の場を移してまで母と暮らそうと思った一番の決め手は、たまに尋ねてくる家族から馬鹿にされ、厳しく怒られている姿を目にしたことだった。
1世紀近く頑張って生きてきた母。普段はお茶目で明るい性格の母が、自分ではどうすることもできない老いや認知症のために、どうして家族から怒られ、日常を不快なものにされなければならないのか・・・
そう感じた章は、母の暮らしに出来るだけ寄り添いながら、残された日々を穏やかに、幸せに送ってもらおうと考えた。
本作品の一番の見所は、日々の暮らしの中で次々に起こる摩訶不思議な出来事、進行していく母の認知症の症状が「自然体」のまま映し出されているところ。身近に「認知症の人」がいない医療・介護に従事している方や学生さんにとっては「認知症の人と家族の暮らし」がどのようなものかを知るヒントにもなるでしょう。
人生100年時代を迎えて、介護される人もする人も、ともに幸せに暮らせる介護とは?穏やかで心地よい老後とは?高齢者と暮らす家族のあり方とは?支え、支えられながら、ともに生きることのいとおしさが、じんわりと心にしみる驚きと感動にあふれる作品です。
作品タイトル:『99歳 母と暮らせば』出演:谷光千江子 谷光賢 谷光育子 谷光章/小田中通子/谷光家の人々/川邊壽子/松本尚子/長田典/高橋綾子/前田由美子監督・企画・撮影・編集・ナレーション:谷光章ミュージックエディター:井口明夫サウンドエンジニア:引間保二イラスト:はまぐり涼子録音スタジオ:アクエリアム協力:クローバーデイケアセンター/湘南ピュア福祉サービス/居宅介護支援事業所/わかば訪問介護ステーション/メディケアセンター【2018/日本/92分】製作・著作・配給:イメージ・テン共同配給:ムービー・アクト・プロジェクト
公式サイト:http://99haha.net
2019年06月07日