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シリーズ第6弾『認知症plus法律問題』刊行!

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シリーズ第6弾『認知症plus法律問題』刊行!

認知症 plus 法律問題

高齢者と家族のゼミナール

 

小倉純正・山崎祥光 著

A5判、160頁、定価(本体2,300円+税)

 

認知症はもとより高齢者と家族が出あう医療に関する法律問題についてわかりやすく解説!

医療同意、成年後見人、医療事故、など認知症患者はもとより高齢者が医療や介護のサービスを受けるときに考えなくてはならないさまざまな法律問題や対応について、医療法務弁護士が、事例を交えわかりやすく解説します。

医療・介護従事者はもちろん、認知症の人を支える家族は必見です!

 

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[編者序文]

 

社会の高齢化が問題となって久しいですが、総務省の発表によれば、2018年9月15日現在、65歳以上の高齢者は3557万人と増加の一途をたどり、人口割合では28.1%と過去最高を記録したとのことです。

今後もしばらくは高齢者の増加は続き、それに伴って死者数も増加します。厚生労働省が発表した「平成30年人口動態統計の年間推計」によれば、平成30年の死者数は約136万9000人となっています。

このような変化に伴い、高齢者独特の法律問題も多く生じています。有名なところでは、認知症の高齢者が鉄道線路に立ち入って列車に接触した事案です。介護していた家族の責任につき最高裁が判断を示しました。また、認知症の高齢者が病院の窓のロックを壊して転落死した事案では、病院の賠償責任が認められました。

残念ながら、高齢者の誤嚥や転倒・転落で医療機関・介護施設の責任が問われることは、もはや日常茶飯事となっています。現場で働く医療従事者は、こうした状況の変化を肌で感じておられるのではないでしょうか。

 

本書では、このような状況を踏まえ、医療従事者の立場で最低限知っておくべき知識と考え方をまとめました。

第1部では、日常生活で問題となる高齢者の法的問題として、高齢者が詐欺的商法の被害にあった場合、高齢者の財産管理の問題、高齢者が犯罪行為等を行った場合の本人と家族の責任、相続と遺言の問題を取り上げます。

読む上でイメージしやすいよう、例としてのケースを示したあとで、原則論から解説しています。ご自身の親族の問題が生じたり、患者さん・家族から相談を受けたり、また患者さん・家族の紛争に巻き込まれたりした場合にぜひ参考にしてください。

 

第2部では、医療機関で患者さんに医療・看護を提供する際に出会う問題について取り上げました。

法律問題となると、「判例はどうなっているか」というところも気になりますが、訴訟での判決は、あくまでも個別の事例につき、事後的に判断したものですので、医療の現場で直接使えるものではありません。また、医療の現場での判断はまさにケースバイケースで個別の状況に合わせて判断せざるを得ず、「これが正解」といえる単純な解はありません。

第2部でもケースを踏まえ、現場でどのような行動をとればよいかの「原則論」を示していますので、判断の指標として参考にしてください。特に転倒・転落と身体拘束、誤嚥については100%有害事象を避けることは不可能な中での事前・事後の対応を、カルテ記載の方法も含めて提案しました。また、現場での「警戒レベル」を判断する際の参考に発生リスクの高いトラブルの類型もお示ししています。

 

現状では、医療現場でも高齢者に関する責任追及を受けるリスクを想定しながら対応せざるを得ません。本書で解説する原則論と考え方を踏まえて法的紛争を未然に予防し、患者・家族のための看護という本業に専念いただく一助となれば幸いです。

2019年12月18日