若年性認知症の人の実態と支援体制<前半>

2018年、若年性アルツハイマー病を発症する主人公のテレビドラマ『大恋愛~僕を忘れる君と』が話題になりました。

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今回は、あまり知られていない若年性認知症の実態を明らかにした上で、若年性認知症の人とその家族が抱えている問題や現在の社会的な支援体制について認知症介護研究・研修大府センター研究部長・医学博士の小長谷 陽子(こながや ようこ)さんに解説していただきます。

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認知症の人の自由とリスクのバランス ~”看護倫理を考える言葉”より~

現在、病院や介護施設における身体拘束が社会的に注目されています。認知症の人においても、この問題は例外ではありません。

中西らが行った、全国の急性期および回復期機能の病床を有する病院(100床以上)を対象とした調査1)によると、一般病院の入院患者の14.6%、認知症疑いの患者に限れば44.8%が調査日時点で身体拘束を受けているという結果が明らかとなっています。

認知症の人の自由とリスクのバランスをどのように考えればよいのでしょうか。今回も、弊社書籍『看護倫理を考える言葉』(小西恵美子著)より、認知症の人への看護倫理について考えてみましょう。

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シリーズ第1弾『認知症 plus 転倒予防』

認知症 plus 転倒予防
せん妄・排泄障害を含めた包括的ケア

鈴木みずえ 編

B5判,248頁,定価(本体2,800円+税)
2019年3月発行 978-4-8180-2180-8

認知症高齢者に生活障害をもたらす転倒、せん妄、排泄障害。
これらを早期にコントロールし、QOLを維持するための包括的ケアの実際と、根拠となった最新の研究について紹介します。

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認知症の人の意思決定とコンピテンスを考える ~“看護倫理を考える言葉”より~

意思決定(dicision making)とは、問題解決や、目標・目的の達成のために、とるべき方向や手段について、複数の選択肢のなかからどれか1つを決めること(出典:医学書院「看護大辞典」)とされています。

私たち人間は、日常的に意思決定をしながら生きています。
とはいっても、多くの行動は無意識下で行われています。
意識的に行う場合であっても、過去の経験などに基づいて自己で判断するケースがほとんどでしょう。

しかし、認知症の人の場合は意思表示が困難となったり、健康であったときと同じように判断をすることが難しくなります。

弊社書籍『看護倫理を考える言葉』(小西恵美子著)より、認知症の人への看護倫理について考えてみましょう。

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[認知症plus]シリーズ 今後の刊行予定

『認知症 plus がん看護―治療の流れに沿ったせん妄・認知機能障害のケア(仮)
小川朝生・田中登美 編 2019年夏 刊行予定

『認知症 plus 院内デイケア―生活機能の維持・向上を目指して(仮)
旭 俊臣・加曽利裕・坂本昌子 編 2019年秋 刊行予定

『認知症 plus 回想法―写真集で振り返るあのときの暮らし(仮)
鈴木正典 編著 2019年秋 刊行予定

『認知症 plus 退院支援―一般病棟ナースのためのQ&A70(仮)
深堀浩樹・酒井郁子・山川みやえ・戸村ひかり 編 2019年秋 刊行予定

『認知症 plus 法律問題―高齢者と家族のためのゼミナール(仮)
山崎祥光 編著 2019年冬 刊行予定

 

など、ケア現場に密着したテーマを企画中です。
ご期待ください。

地域で実践する回想法の効果 ―認知症予防と絆づくり

 

長野県諏訪郡富士見町の社会福祉協議会は、『認知症予防のための回想法』(当社刊)著者で、医師でもある鈴木正典氏を招き、回想法について町民向けの講演と職員向けの研修会を実施しました(2016.8.18)。自称“旅芸人”の鈴木氏によるユーモアと笑いに包まれた学びの様子を紹介します。

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パーソン・センタード・ケアを考える認知症模擬患者とのシミュレーション研修

設定に沿ってせん妄発症を熱演する認知症模擬患者(SP)


本研修会は鈴木みずえ氏(浜松医科大学医学部看護学科教授)と静岡県内の認知症看護認定看護師・老人看護専門看護師らによる「認知症ケアを考える会」が主催したもので、10病院から認知症ケアのキーパーソンになる看護師18人が参加しました(2016.6.19)。

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ドラマ「大恋愛」最終回を編集部員が見た!

正月休み明けの昼休み、弊社の編集部員が会議室に集まり、お昼ご飯を食べながら、ドラマ「大恋愛」の最終回を見ました。

→ドラマ「大恋愛」のあらすじを知りたい方はこちらへ

視聴後、ネット上でも話題になっていた4つのQuestionについて、質問形式のアンケートを実施しました。編集部員の回答を以下にご紹介します。 続きを読む

ドラマ「大恋愛」~あらすじを医療的目線で追う

2018年秋のドラマ「大恋愛~僕を忘れる君と」は、「感動した」「涙なしには見られない」「すばらしい」という絶賛の声が多く、最終回終了後は「大恋愛ロス」になった人も出たようです。タイトルどおり恋愛ドラマですが、主人公が「若年性アルツハイマー病」という設定で、医療ドラマ的要素もあります。

最近は若年性認知症をテーマにした映画やドラマがたびたびつくられており、若年性認知症という病気のことはそれなりに知られていると思いますが、国をあげて対策に乗り出している高齢者の認知症と比べれば、まだまだ正しく理解されているとはいえません。

評判が高かった一方で、ネット上では、ドラマに出てくる若年性認知症のいろいろなエピソードについて、「これはどうなの?」と疑問を投げかけている人もいました。

ドラマというフィクションで、かつ恋愛が主軸なので、いちいち目くじらを立てることはないとも思います。多少「え?」と思うところはあっても、これだけ多くの視聴者に感動を与えているということが、とりもなおさずこのドラマの質の高さを示しているのではないでしょうか。

しかしこのコーナーでは、あえてその「え?」を取り上げました。「大恋愛」を恋愛ドラマとしてではなく、医療的目線で見たときにどう感じるか、皆さまとともに考えてみたいと思います。 続きを読む

既刊の認知症関連書籍のご案内

これまでに日本看護協会出版会から刊行された認知症関連書籍をご紹介します(2013年以降に発売されたもの)。

 

認知症の人の「痛み」をケアする
──「痛み」が引き起こすBPSD・せん妄の予防

鈴木 みずえ・高井 ゆかり 編
B5変/216ページ、2018年6月発行
978-4-8180-2122-8

「認知症の人が痛みを感じることは少ない」「痛みを訴えても、それは認知症の症状の一部だ」と考えていると、やがてBPSD・せん妄につながってしまいます。本書では、その解決のために、看護師・医師・理学療法士などの多職種が共に考えて、認知症の人の「痛み」のケアを提唱します。「認知症だって痛いものは痛い!」という、心の叫びを聴き取るためにはどうすればいいのかを考える、認知症の人の「痛み」に焦点を当てた唯一の書です。>>詳細はこちら

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認知症
──本人と家族の生活基盤を固める多職種連携

山川みやえ・繁信和恵 編著
A4判変型/184ページ/2017年5月発行
978-4-8180-2040-5

認知症の地域包括ケアを実践するチーム全員の動きがわかる10事例の時系列チャートを収録。認知症の症状を持つ人はどのような経過を辿り、生活がどのように変化し、どのような最期を迎えるのでしょう。長く続く本人と家族の暮らしを支える「連続したケア」を実現するためには、さまざまな医療・介護職が長期にわたる連携を重ね、互いの役割を理解し、局面ごとの認知症ケアについて考え、「全体を見て」行動する必要があります。本書収録の「時系列チャート」では、認知症の多様な疾患を中心に分類した典型10事例について、当事者を含む地域包括ケア・チーム全員が果たすべき役割を解説しています。>> 詳細はこちら

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多職種チームで取り組む
認知症ケアの手引き

鈴木みずえ 編
B5/152ページ/2017年3月発行
978-4-8180-2035-1

平成28年度診療報酬改定において「認知症ケア加算」が新設されましたが、未だ加算を算定できない施設も多くあります。本書では、認知症ケア加算の解説に加えて、認知症ケアチームの活動内容や、加算の要件となっている手順書作成に役立つ、認知症の基礎知識、認知症高齢者の看護計画、身体拘束の解除に向けた取り組みなど、現場のニーズにあった実践に役立つ内容を多数掲載しました。すでに認知症ケア加算を算定している施設から、今後申請したいと考えている施設まで、幅広く活用いただけます。>>詳細はこちら

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看護実践能力習熟段階に沿った
急性期病院でのステップアップ認知症看護

鈴木みずえ 編
B5/212ページ/2016年7月発行
978-4-8180-1983-6

身体疾患で急性期病院に入院している高齢患者のうち、認知症の人はかなりの数にのぼるのが現状です。本書では、急性期病院の看護師に必要な認知症ケアの到達目標と取得すべき知識・技術を、初級・中級・上級の3段階に分けて明示しました。また、具体的なチェックポイントや理解度を測るクイズ、効果的な研修方法も多数掲載しています。平成28年度診療報酬改定で新設された「認知症ケア加算」算定のための研修にプラスして、手元で知識を確認するための教材としてご活用ください。>> 詳細はこちら

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認知症の語り
──本人と家族による200のエピソード

認定NPO法人 健康と病いの語り
ディペックス・ジャパン 編
新書/624ページ/2016年6月発行
978-4-8180-1980-5

認知症本人と家族の声を集めたウェブサイト「認知症本人と家族介護者の語り」の書籍版。本人や家族の生の声から、「病気」としての認知症ではなく、病いとともに生きる「経験」としての認知症について知ることができます。「認知症だけにはなりたくない」「認知症になったらもう終わりだ」と考える人が多いのが現実です。でも、本当にそうなのでしょうか?認知症本人と介護家族の語りを通して、「認知症は決して絶望ではない」「認知症でも立派に生きていける」ということを、現在同じ病いに苦しんでいる人や、将来なるかもしれない予備群の人々にお伝えします。>> 詳細はこちら

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認知症高齢者の世界

日本赤十字看護学会 臨床看護実践開発事業委員会 編
四六判/224ページ/2015年6月発行
978-4-8180-1916-4

認知症高齢者の言動はしばしば看護師や介護者を悩ませます。しかし、周囲からみれば「なぜそうするのか理解できない」と思われることにも、その人なりの理由があるのです。その理由は、認知症の人の生活に寄り添い、その人の中で何が起こっているのかを知り、その“世界”に入り込むことで分かってくるのです。本書はグループホームや病院、研究の現場で看護師が出会った場面を紹介しながら、認知症高齢者の思いや行動の意味について解説。“認知症高齢者が生きる世界”を看護師がつづった、認知症ケアに携わるすべての人に贈る1冊です。>> 詳細はこちら

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パーソン・センタードな視点から進める
急性期病院で治療を受ける認知症高齢者のケア
──入院時から退院後の地域連携まで

鈴木みずえ 編
B5/232ページ/ 2013年12月発行
978-4-8180-1793-1

急性期病院では、認知症のため痛みや自分の希望などを訴えることができずに、適切なケアが受けられていない高齢者が多くいます。一方、急性期病院のスタッフも、認知症患者に慣れていないため、どう対応してよいのか困っているケースがみられます。認知症高齢者の視点を尊重したケアと工夫により、日々のケアは飛躍的に向上します。認知症看護認定看護師の実践事例を参考に、認知症高齢者に寄り添うケアを目指しましょう。>> 詳細はこちら

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認知症予防のための回想法
──看護・介護に活かすアプローチ

鈴木正典 編著
B5/96ページ/2013年12月発行
978-4-8180-1788-7

高齢化社会の進展に伴い,認知症高齢者の急増が予測されます。認知症予防のための取り組みとして、高齢者ケア施設や社会福祉協議会・地域の福祉団体などが地域住民を対象に行うサロン活動において“回想法(昔の思い出を語り合い、共感しながら心の安定を図るケア)”が実践されています。本書は、施設や地域で働く保健師、看護職、介護・福祉職の皆様向けに、写真を使ったグループ回想法の実践方法についてわかりやすく解説するガイドブックです。“回想を促すきっかけ”として活用できる写真17点と、会話を弾ませるコツ(具体的なシナリオ)なども紹介しています。地域の高齢者のための楽しい回想法を実践しましょう。>> 詳細はこちら

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家族看護 21
「特集:認知症の人と家族へのケア」

編集委員 池添志乃・安武綾・小玉幸佳
B5/164ページ/2013年2月発行
978-4-8180-1717-7

認知症ケアにおいては、認知症の人と家族の尊厳の保持を基盤としながら、これまでの歴史や生活スタイルを重視したその家族らしい生活の継続性を、家族をエンパワメントしつつ支援していくことが重要です。今特集ではまず、パーソン・センタード・ケアを基盤としたその人らしさや家族らしさを支えるケアについて理解を深め、認知症の人の家族の体験や現状を知り、倫理的課題を含めた家族の意思決定支援について概観します。また、退院支援、グリーフケア、若年性認知症、地域包括ケア、非薬物療法をキーワードに、家族支援のあり方を具体的に考えます。また臨床での対応困難事例5題について誌上コンサルテーションを展開します。>> 詳細はこちら